■緑内障とは
緑内障とは視野(見える範囲)が欠けて狭くなってくる進行性の病気で、視神経(眼からの情報を脳に伝える)が障害を受けることでおこります。視神経の障害には眼圧(眼の水圧、硬さ)が大きく関係していることが判っています。緑内障の怖いところは進行性に視野が狭くなり、死んでしまった神経細胞は再生しませんので、治療で元に戻る病気ではないということです。治療の目標は進行の停止にあります。ですから、他の病気と比べても特に早期発見、早期治療開始が大事になります。
正常眼の視神経所見
末期緑内障眼の視神経所見
 眼圧と緑内障
昔は眼圧が高いことが、緑内障の定義でした。一般に正常の健康な人の眼圧は10〜20mmHgといわれておりました。
しかし、最近の大規模な疫学調査で、日本人の40歳代以上の方の約6%弱に緑内障が見つかり、その半数以上は眼圧が20mmHgを超えない、『正常眼圧緑内障』であるということが判ってきました。
昔のように眼圧だけの基準では多くの緑内障が見逃されてしまいます。早期発見には眼底検査によって、視神経乳頭陥凹(緑内障の進行で神経が死んでくると現れてくる形状変化)を早い段階で発見し、視野検査を行って確認することが重要です。眼底検査による緑内障性変化の早期発見は、機械による診断も進歩はして来たものの現時点では限界があり、正直なところ経験に負うところも大きく、医師の診断能力によって発見率に差が出る可能性も十分あります。当院では、院長が勤務医時代から各病院で緑内障外来担当を経験して来ており、初診患者さんには可能な限り必ず眼底検査を行い、疑いのある方に対してはハンフリー静的視野計(世界的な標準機です)や、最新のFDT視野計を用いた精密検査を施行しております。また、2006年度からOCTスキャナーを導入し、緑内障で変化する網膜神経線維層厚の測定や視神経乳頭解析を行い、より精度の高い早期の緑内障診断を目指しています。
静的視野検査の様子

■ドライアイとは
涙の量的な不足、あるいは質的な異常によって、角膜の表面が乾燥しやすくなってキズを生じたりします。症状としては、「目がショボショボする、乾く感じ、疲れやすい」など様々な訴えがあります。特に、コンピュータ作業など、じーっと凝視して瞬きの回数が減ると症状は悪化しやすく、最近増えているといわれている病気です。
重症ドライアイに対する涙点プラグ
(涙穴にはめるシリコン製の栓)治療
フルオレセインという色素で目の表面の涙を染色して、涙や角膜の乾燥の状態を観察する生体染色顕微鏡検査が診断には欠かせません。当院では、動画像ファイリングシステムを利用して検査結果の画像を保存、解析し、治療効果の判定に役立てています。治療は、まず保湿成分のヒアルロン酸製剤の点眼を軸として、重症例には涙点プラグも積極的に使用しています。

■糖尿病網膜症
今や国民病と言っても過言ではないほど糖尿病患者さんの数は増えていますが、「三大合併症」の一つが糖尿病網膜症です。日本を含めて先進国では、成人になってからの中途失明原因のトップになっています。この病気の怖いところは、糖尿病になってから何年もたってからおこり始め、相当進行するまで視力低下などの自覚症状が出にくいところです。網膜剥離や血管新生緑内障で最終的に失明する増殖糖尿病網膜症になって初めて受診されると、手遅れになる場合もありますので、自覚症状のないうちから眼底検査を定期的に受ける必要があります。
糖尿病網膜症の眼底写真
糖尿病が原因ですから、血糖コントロールが一番の大前提です。網膜症が殆どないうちから、ヘモグロビンA1cが6%前半以下にコントロールされていれば、失明に至るような網膜症を起こしてくる頻度はまれになります。運悪く網膜症が進行して来たときには、蛍光眼底撮影などの精密検査の結果によって、時機を逃さずレーザー網膜光凝固を行えば、多くの例で進行を食い止められます。糖尿病専門の内科医と眼科医の連携が大事です。合併症が進行して来たら、内科も眼科も専門医による厳重な管理が必要と思われます。当院では、近隣の糖尿病専門の内科医と連携しながら網膜症の管理を行い、眼の状態によって最適の波長のレーザーで光凝固が出来る、最新のマルチカラーレーザーを導入しています。

■その他の網膜疾患
網膜静脈閉塞症を代表とする循環障害(眼底出血)、網膜剥離、加齢黄斑変性など様々な網膜疾患がありますが、院長は京都大学眼科入局以来開業まで、網膜硝子体手術を主たる専門分野として来ました。網膜の手術治療をする者にとって、「厚みが0.5mm以下しかない透明な神経組織である網膜の断面像を生体に障害を与えることなく観察したい」というのは長年の夢でした。近年のテクノロジーの進歩によってこの夢が実現できる画期的な装置が開発され、臨床応用されてきました。これが2006年度に当院にも導入したOCTスキャナーです。この装置の導入で黄斑部網膜疾患の診断能力が飛躍的に高まったと感じています。当院では、レーザー光凝固などの外来で行える網膜疾患の治療には対応していますが、現在は無床診療所ですので、入院手術が必要な網膜硝子体疾患は広島県内だけでなく、患者さんのご希望によっては全国各地の最適と思われる施設へ紹介しております。

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